感性素材研究部会

梶原莞爾

京都工芸繊維大学工芸学部 教授

1.はじめに

 1980年代に開発された「新合繊」は、日本発の感性素材として世界を風靡した。ナイロン、ポリエステル、アクリルに代表される合成繊維が、天然繊維(絹、木綿、羊毛)の単なる代替品であることから抜き出て、独自の存在を主張し始めた。「模倣」から「超越」へパラダイムを変化させることで、「新合繊」という新しい感性素材が生まれた。

新合繊以後、繊維関連では新しい感性素材は出ていない。文化的背景、自然環境が目まぐるしく変化する「犬の時代」。アンテナである感性に基づいてパラダイムを意識的に変化させなければ、時代の変化に対応できない。

2.趣旨

 「模倣」から「超越」というパラダイム変化は「新合繊」をいう新しい感性素材を生み出した。しかしこのパラダイム変化は技術志向によりもたらされたもので、もともと感性とは縁のない領域であった。最近の社会や自然環境の急激な変化は、必然的に私たちの感性そのものの変化をもたらす。つまり現在ほど感性志向パラダイム変化が求められている時代はなかった。感性の表出となるファッションを中心課題として、感性を定量的に評価し、そのトレンドを予測し、時代にマッチした素材開発の指針を得ることを目標とした工学システム構築に向けて、研究会、勉強会を組織運営する。更には、具体的な研究プロジェクトのコーディネートを目指す。

3.運営方針

 多方面の分野にまたがる会員により研究会を組織する。研究会は会員の自主運営とする。会員からの問題提起を受け、それに対してグループ討議を中心とするサロン的な集いを非定期的に開催する。グループ討議により展開された集約意見はレポートとして会員に配布し、その後の討議展開の資料とする。


問い合わせ

〒606−8585 京都市左京区松ヶ崎御所海道町、Tel:075(724)7567, E-Mail: kajiwara@ipc.kit.ac.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図1:典型的な「新合繊」断面SEM写真