生命ソフトウェア部会

室蘭工業大学情報工学科 教授 長島知正

生命ソフトウェア部会は「感性工学」を情報の視点から捉え、「感性情報」の基礎の確立と独創的な工学的応用研究を促進するため設置されました。特に、生命ソフトウェア部会は、感性情報を生命情報の一部として捉えようとする意図を持って設立されました。生命の研究は従来主に生物学、医学の範疇で行われてきていますが、我々の日常生活における行動を生命活動と考えるとき、これらの分野からの知見は余りにも副次的で、ほとんど役に立たないといわざるをえません。特に、これら生命体を扱う分野の多くの研究は物質科学に基礎を置き、未だ人間を含む高等生命を理解するうえで最も基本的な「主観」を捉えるための枠組みは極めて脆弱で、大きなネックになっていると思われます。現在の科学では、「生命」と「物」は、それぞれの情報が分離された体系で理解され、そこに大きな科学的ギャップが存在します。情報化社会においては、このギャップはとりわけ大きな21世紀の解決課題になると考えています。このギャップを埋め、「物」と「生命」からなる世界全体を包含する何か新しい情報の枠組を「模索」し、「読み取る」ことが本部会の「生命ソフトウェア」の背景です。感性はこのギャップを埋める糸口として、大変重要でChallengingなターゲットと考えられます。 感性の定義はこれからの感性情報学の課題ですが、感性に懸る真に独創的な研究開発も世界的にいよいよこれからスタートと考えられます。今後、生命ソフトウェア部会を、自由な討論や実践の場として若い研究者の力を集め、感性研究の一翼を担える活動の場にできればと考えています。

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生命ソフトウェア部会幹事 岡田吉史